SCENE

涼しさよ、届け。

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180218 SONY α7Ⅱ / Vario-Sonnar T* 28-85mm F3.3-4 YC


 防弾処理された分厚いドアを外側に押し開け、俺とユウジは店を出た。
 外は視界の全く利かない闇だ。月も星も輝いているのだろうけれど、この戦争が始まってから徐々に夜目が利かなくなり、俺たちは全くの鳥目になってしまった。何かの目的で水道水に混入されている物質の影響だという噂もあったが、真偽のほどは判らない。
 開戦後、町は明かりを拒絶するかのように街路灯やネオン、看板などの光という光を消し去った。一般家庭の灯火も外に漏れることはない。
 街全体が闇に呑みこまれているが、一カ所だけ例外の場所がある。それはこの町のメインストリートを上りきった丘の突端に立つ、灯台の灯りだ。といっても毎日点灯している訳ではなく、宵に点いていた灯光が夜半に消えることもあるのだが、そこだけが光のある場所だった。不規則な点灯はどうやら海峡での軍事行動が関係しているらしいのだが、俺たちのような学生には詳しいことは判らなかった。 (岬 純平「花火」より)


(c) Keith Young


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by junpei-misaki | 2018-07-03 21:11 | α7Ⅱ | Comments(2)
Commented by hahakobento at 2018-07-04 08:53
涼しい風、届きました~♪
東京のギラギラの太陽はお休みのようです。
ありがとうございます(^^)/
Commented by junpei-misaki at 2018-07-04 12:42
ukoさん
コメントありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです。
来週の東京はまた暑そうなので、来週また一発かまします!